※この記事にはマーベルシネマティックユニバースの今までとこれからの流れに関するネタバレがあります。未視聴の方はブラウザバックでお戻り下さい
ちょっと遅くなりましたがアントマン&ワスプ劇場で観てきました。
この作品はアントマン単独作品の続編と同時に、アベンジャーズをはじめとするマーベルシネマティックユニバースの大きな流れをくむ、節目の作品でもありました。
ちなみにアントマン&ワスプはマーベルシネマティックユニバースの作品としては20作品目に当たる記念すべき映画です。すごい!
前作のアントマンと同様、アイアンマンやキャプテンアメリカなど他のマーベル作品のヒーローは出演しません。
アベンジャーズインフィニティーウォーでアントマンやワスプがなぜいなかったのかがこの作品でわかります。
作品概要
製作年度:2018年
原題:ANT-MAN AND THE WASP
監督:ペイトン・リード
上映時間:118分
主演:ポール・ラッド
あらすじ
「シビルウォー」でのソコビア協定に違反した罪で2年間の自宅軟禁を余儀なくされたスコット。
娘のキャシーや友人のルイスらに支えられ、あと3日で無事に刑期を終えようという矢先にスコットは不思議な白昼夢を見る。
意識を取り戻すと何かに突き動かされるように、2年間音信不通になっていたピム博士に連絡を取るスコット。
しかし、電話はつながらず留守番電話になってしまう。メッセージを残し自身の不可解な行動に呆れてしまうスコット。
あと3日で自由になれるのに、自分は何をやっているんだ…。
そう自嘲した矢先、スコットは意識を失い誘拐されてしまう。
スコットを誘拐したのはかつての恋人であり、ピム博士の娘であるホープだった。
感想
マーベルシネマティックユニバースの中で唯一と言っていいほどのやさしさと笑いと愛とユーモアにあふれているアントマンシリーズの第2作目です。
前回に引き続き巻き込まれ主人公の王道を行くアントマンことスコットは、一見頼りなさそうに見えて実はキレ者。手先の器用さや頭の回転の速さ、そして何より困ってる人を見過ごせないやさしさでガンガン法律を犯していきます。
アントマンの登場人物は法を守るという概念があまりないのも魅力の一つだと私は思っています。いっそ清々しいとすら思えます。
そんなスコットがシビルウォー後2年もの間律儀に刑を全うしていたのに!娘のキャシーのことを何よりも大切に思ってあらゆることを我慢して自由になれるまであと3日だと言うのに!
スコットは白昼夢で見たジャネットのことが気になって隠していた携帯からピム博士に連絡してしまいます。
この優しさがアントマン最大の魅力だと私は思います。
さらには今回のメインヴィランであるゴーストのこともできれば助けたい。いい人すぎるよアントマン!
そして散々睨まれなじられ呆れられても、スコットは誰も見捨てることなく最終的には丸く収めてしまいます。
アントマンの能力は「大きくなったり小さくなったりできる」というごくごく限られた能力です。お金持ちの天才でもなければ、超人的パワーを持った正義の象徴でもありません。
世界を救う戦いには参加できなくても、彼は自分の周りの人たち、手の届く範囲のしあわせを我が身をかえりみず他者と協力しながら救うことができる等身大のヒーローなんだということを印象付ける作品でした。
私はアントマン&ワスプを見て、私たち観客の目線を代表するヒーローはアイアンマンでもキャプテンアメリカでもなくアントマンなんだと確信しました。
大いなる力の責任や代償に苦悩するヒーローは、確かに哀愁を帯びてなおかっこいいです。ですが、本当に必要なのはただひたすら自分にできることをなりふり構わず実行して不可能に見えた問題を円満に解決してくれるアントマンのようなヒーローなのだと思います。
インフィニティーウォー後の世界に絶望しか感じられませんでしたが、本作を見てアントマンの存在こそが物語を好転させる鍵になるのではないかと思えるようになりました。
アントマン&ワスプ、すごいです。単品の映画としてもとても良くできていて、笑いあり涙ありアクションありの良作です。
そして、今までのマーベルシネマティックユニバースの負の流れの中で改めて本作を見てみると「巻き返し」の起点になりうる重要な作品である予感がビシビシ伝わってくるのですから、興奮を抑えきれません。
これは次回に続く作品ががぜん楽しみになってきました。問題は、インフィニティーウォーで絶望してしまった人たちがアントマン&ワスプを見てくれるかという点ただ一つです。
ラストではピム一家が全員塵になって消えてしまうというショッキングな展開ですが、それですら次回以降でのアイアンマンやブルース・バナーとの共闘を予感させるドキドキの演出なので今からワクワクが止まりません。
みんな、騙されたと思ってアントマン&ワスプを見てくれ!
きっと今後の展開が楽しみになるから!
たわし